当サイトについて

合併症の症状、治療、予防法や改善方法まで、
合併症の改善に向けて理解を深めるサイトを目指します。
専門医師はたったの400人しかいません。

高血圧、糖尿病は国民病とも言えるほど身近な存在です。
日本人の2~3人に1人が高血圧、糖尿病患者と言われており、
その数は約4700万人に上ります。


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不眠は肥満へも影響する

肥満への影響

睡眠時間は短くても長くても肥満度に影響
睡眠時間と肥満の間には関連性があるといわれています。
米国スタンフォード大学で睡眠時間と肥満度(BMI)の関係を調査した結果、睡眠時間が6~7時間の人が最も肥満度が低く、それより短くても長くても肥満度が高まることがわかりました。

[図:睡眠時間と肥満度]この調査によると、睡眠時間が短い人では食欲を増進させる【グレリン】という物質が多く分泌され、食欲を抑える【レプチン】という物質の分泌が少なくなっていることがわかりました。
このように、睡眠不足が続くと食欲が高まり、結果として太りやすくなることが、ホルモンのレベルでも示されています。

 

寿命への影響

睡眠時間は短くても長くても寿命に影響
睡眠時間の長さは、寿命にも影響することが知られています。
睡眠と死亡リスクについて研究を続けているカリフォルニア大学の調査によると、通常の睡眠時間が6.5~7.4時間の人の死亡率が最も低く、それより短くても長くても死亡率が高いという興味深い結果がでています。

[図:睡眠時間と死亡危険率の関係]また、他の調査でも、睡眠時間が短いと死亡リスクが高いことがわかっています。
一方、7時間以上の長時間睡眠が死亡リスクを高めるという点については、病気がちな人は長く寝る傾向があるため、その要素が結果に反映されているのでは、という指摘もあり、まだ結論は出ていません。
いずれにしても、短時間の睡眠時間が好ましくないことは確かのようです。

社会生活への影響

睡眠が足りないと集中力や作業効率は低下
睡眠が不足すると、脳が休息できず、睡眠時に行われる情報の整理ができなくなってしまうことから、集中力や作業効率が悪くなりがちです。
例えば、24時間の徹夜は、飲酒運転並みに運転技術を低下させることが分かっているほか、連日2時間以上睡眠時間を短縮させていると、2週間後には徹夜と同程度の作業能力の悪化がみられることも分かっています。
また睡眠不足や不眠症は、産業事故のリスクを約8倍高めるとも言われています。特に、スリーマイル島原子力発電所の爆発事故やスペースシャトルの爆発事故 などは、作業員の睡眠が不足していたことによる集中力低下が関係していると言われています。
経済的にみると、米国の試算では睡眠不足や不眠症による事故での経済損失は年間430~560億ドルにのぼるとされ、国を挙げて不眠症の治療にとりくむ動 きが活発になっています。日本においても同様で、睡眠不足や不眠症による経済損失は、年間数兆円にのぼるという試算もあります。

 

血圧への影響

血圧と不眠は相互に影響しあう
交感神経は、体の表面などにある末梢血管(手や足の細い血管)を収縮させ、血圧を上げる役割を果たしています。 十分な睡眠をとっていれば、寝ている間に交感神経の活動は低下し、末梢血管の収縮が緩まるので、血圧は下がります。しかし、睡眠が不足していると、交感神 経の活動が活発なままとなり、末梢血管が弛緩せず、血圧や心拍数が十分に下がりません。このような状態が続いていると、さらに交感神経が興奮し、血圧は高 いままになってしまうのです。

高血圧発症リスク-入眠障害1.96/睡眠維持障害1.88(ハザード比)ある調査では、寝つきが悪い入眠障害や睡眠を一晩維持できない中途覚醒がある人は、健康な人に比べて高血圧を発症するリスクが約2倍になるということが示されています。
高血圧患者で不眠症を併発している割合-不眠症あり47.9%・不眠症なし52.1%また、高血圧患者を対象に不眠症の有無を調べたポーランドの調査では、約半数の人が不眠症と判定されました。

このように、血圧と不眠は相互に影響しあうことが様々な調査で明らかとなっています。

 

血糖への影響

不眠があると糖尿病になる危険性が高まる
まだはっきりとは分かっていませんが、睡眠不足の状態が続くと、ストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌が高まり、血糖値の上昇を抑える能力(耐糖能)が低下します。
実際に、不眠症状のある人はない人に比べて糖尿病の発症リスクが2~3倍に跳ね上がっています。また、スウェーデンの調査では、不眠は肥満に次いで2型糖尿病※1発症の重要な危険因子であることが指摘されています。

2型糖尿病※1の発症リスク-スウェーデン男性12年間の追跡調査
*1 2型糖尿病:生活習慣の乱れなどから、血糖値を下げる働きを 持つインスリン分泌機能が低下した糖尿病のこと。インスリン分 泌機能が先天的に低下している1型糖尿病とは異なる。
*2 睡眠維持障害:不眠症状の一つ。寝付いてもそのまま寝続けることができず、途中で起きてしまうという障害。
*3 飲酒による2型糖尿病発症の危険性を1.0とした時の危険度
■試験方法:1983年および1995年に、スウェーデン在住の男性550名(45~65歳)を対象として、睡眠状況および考えられる糖尿病の 危険因子10項目について質問票を送付し、新規に糖尿病を発症す る相対危険率を求めた。
Mallon L. et al:Diabetes Care 28(11):2762-2767, 2005より改変

メンタルへの影響

不眠とうつ病は相互に影響しあう
不眠と心の病気とは、深い関係があります。
米国のジョンズ・ホプキンス大学の医学生を対象とした調査では、学生時代に不眠を経験した人は、経験しなかった人と比べ、その後数十年間でのうつ病発症リスクが高いことが分かっています
逆に、心療内科を受診するうつ病患者の身体症状を調べたところ、男女ともに睡眠障害が一番多かったという報告もあります(図1)。実際、うつ病の方は、寝つきが悪く、明け方に何度も目が覚めてしまうことが多いです。
このように、不眠とうつ病は互いに影響しあう関係なのです(図2)。 ※ Chang K. et al.: Am J Epidemiol. 146(2): 105-114, 1997

(図1)うつ病を発症する男女における身体症状の発現状況

(図2)不眠⇔うつ病
出典:かくれ不眠ラボ