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高血圧、糖尿病は国民病とも言えるほど身近な存在です。
日本人の2~3人に1人が高血圧、糖尿病患者と言われており、
その数は約4700万人に上ります。


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甲状腺・副甲状腺手術の合併症

1. 反回神経麻痺 (嗄声)

嗄声とは声がかれることをいいます。

甲状腺のすぐ後側には、反回神経という声帯をコントロールしている神経が左右1本ずつ走っています。この神経を損傷し、神経麻痺が起こると、術後に声がかすれるということが起こります。

反回神経はデリケートな神経で、通常の手術操作で温存していても麻痺が起こることがありますが、たいていは一時的なものであり、3〜6か月以内に回復することがほとんどです。しかし、腫瘍が神経に浸潤しているなどの理由で、神経を切断せざるをえないこともあります。

電話での通話が困難になるくらいの嗄声が起こることは大変まれです。また、この反回神経麻痺が両側に起こった場合には、声帯が閉じてしまい、呼吸困難などの症状を起こすことがあります。この時には、気管切開を行って気道を確保する必要があります。

 

2. 低カルシウム血症

甲状腺の背側には、副甲状腺という米粒大の大きさの臓器が左右2つずつあり、血中のカルシウムをコントロールしています。

副甲状腺機能低下状態になると、血中のカルシウムの濃度が低下し、手足、顔面のしびれなどの症状を来たします。術後、一次的にカルシウムが低下する時には、カルシウムや腸管からカルシウムの吸収をよくするビタミンDを内服してもらい、カルシウムを正常な状態に保ちます。

 

3. 術後出血

通常は輸血が必要となることはありません。

大きなバセドウ病や再手術の方は、出血のリスクが高くなります。まれに創の中の出血で再手術が必要となることがあります。

 

4. 上喉頭神経外枝損傷

術後に大声や高い声が出しづらくなることがあります。

 

5. 頸部の違和感

手術によって、頚部の癒着が起こり、手術後に頚部のつっぱり感や圧迫感、飲み込む時の不快感を感じる方がいらっしゃいます。

術後に首のストレッチを行うことによってある程度の改善は得られますが、個人差が非常に大きいです。

手術直後は、前頚部の皮膚の感覚がなくなったように感じるかと思いますが、これは半年〜1年程度で徐々回復してきます。

 

6. 乳糜漏 (リンパ管漏)

頚部の血管付近には太いリンパ管(胸管)があり、広範囲のリンパ節の切除を行う手術では、術後にリンパ液の漏れを起こすことがあります。ドレーンからの排液が増えることで分かります。

たいていは食事制限などでおさまってきますが、再手術をして止めることが必要になる場合もあります。

 

7. 創部感染

免疫力の低下した状態 (高齢者、免疫を低下させるお薬を服用している方、糖尿病患者など) に合併する可能性があります。

 

出典:医療法人社団 金地病院